ストレス
ストレスの原因
何らかの原因によって刺激を受けた結果、心身に緊張を生じている状態のことを「ストレス」といいます。そして、ストレスがたまる原因となる「刺激」は、おもに「身体的なもの」「心理的なもの」「環境によるもの」の3つに分類することができます。
身体的な原因
病気やけが、多忙による疲労、寝不足といった体の不調が該当します。慢性的な疲労や腰痛・肩こりなどの不調は、それ自体がストレスの原因になり得るのです。
心理的な原因
不安や悩みが該当します。仕事や将来に対する不安、人間関係の問題などで思い悩むことが多い人ほど、ストレスが溜まりやすいと言えるでしょう。
環境による原因
暑さ・寒さや騒音、住環境の変化などが該当します。例えば、「冷房の効いた室内から炎天下の屋外に出る」といった急激な温度変化もストレスの原因に。
嬉しい出来事もストレスの原因に
ストレスというとマイナスの出来事を想像しがちですが、実は結婚や出産、昇進といった嬉しい出来事もストレスの原因になり得ます。ポイントとなるのは、その出来事に伴う「変化」の大きさ。例え自分にとって良い出来事でも、急激な変化はストレスの原因になるのです。起きたことの良い・悪いに関わらず、大きな変化の後は意識して自分を労わるような習慣をつけるとよいでしょう。
ストレスで起きる症状
ストレスが溜まってくると、心身に以下のようなさまざまな不調が現れることがあります。
身体の症状
- 頭痛
- 腹痛・胃腸のトラブル
- 肩こり、腰痛
- 食欲の異常(食欲不振、食べ過ぎてしまう)
- 月経のトラブル(生理不順、生理痛の悪化など)
- めまい、ふらつき
心の症状
- イライラ
- 憂うつ感
- 焦燥感、追い詰められたような気持ち
- 睡眠のトラブル(寝つきが悪い、眠りが浅い、過眠など)
- 物事に集中できない
- 意欲の低下
こうした症状を放っておくと、うつ病や心疾患など、心身の大きな病気に繋がってしまうことも。深刻な状況に陥る前に、早めのセルフケアを心がけましょう。忙しく、なかなかストレス発散ができないという時は、漢方薬の力を借りるのもおすすめです。
ストレスに使用される漢方薬
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
平均的な体力があり、胃腸がやや弱く、イライラや怒りっぽさを感じる人に向いている漢方薬です。月経に伴うイライラや、小さな子どもの夜泣きなどの改善にも用いられることがあります。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
平均的な体力があり、不安や落ち込みなどの気分の塞ぎや、喉のつかえを感じる人に向いている漢方薬です。めまいや動悸、不安の改善のほか、妊婦さんのつわり対策に用いられることも。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
平均的な体力があり、不安やイライラ、寝つきの悪さやのぼせ感がある人に適している漢方薬です。更年期のイライラやのぼせ・不眠に対しても使われることがあります。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
体力があまりなく、疲れやすく、日常のささいなことが気になりやすい人に向く漢方薬です。常にそわそわして気が休まらない、精神的なストレスを感じやすいという方に。
加味帰脾湯(かみきひとう)
体力があまりなく、心身の疲れや眠りの浅さを感じる人に向く漢方薬です。精神的な疲れとともに、食欲不振や貧血にも効果があると言われています。